表現という名の排泄物

詰まらんものの寄集めです。

「あっという間に　あっ」

嗚呼良く言うだろ
一秒先は暗黒虚無皆無未来
とか言うだろ良く
じゃあってんで二秒先を睨んでたら
トラックに轢かれましたアイツ
だから今しかないって言ったろ
とか格好つけて死にましたアイツ
いつもポケットに湿ったマッチのある
金はないけどとても心の優しいヤツでした
アイツ


「モルタルの夏」

季節がアスファルトに黒焦げて
夏だよ夏だよ夏だよ！
モルタルのようなどす黒い夏
国境付近が山場だな
この暑さで奴等も焦げちゃうかもナ
だってよ。モルタルの夏だもんナ
うー暑い暑い暑い
暑いって云うな暑いから
何ぃ本当のこと云っただけじゃネェか
本当の云ったら生きてけねぇんだこの世界
だってモルタルの夏だもんナ


「だって」

ギンギラ太陽。僕を睨んで
じりじりした往路を徘徊していた
長い髪が首周りに暑いうっとうしいわい
ぱっかり中分け地肌が焼ける禿げるわい
僕やるかたなく歩いてただけじゃないんだ
思ってたんだって本当は
回るんだって地球
死ぬるんだって人間
美しんだって花々
朽ちるんだって時間
変えられるんだって世界
腐るんだって世界
思ってたんだって僕


「心に藻が　生えちゃって屈折」

いつの間にか気付かぬうちに心に藻がびっしりと
心の表面にびっしりと藻が生えていたんだ
僕。気が付かなくて。でも何だか変だから
ちょっと様子が変だと思ったからチラと覗けばこれだよ
その藻は緑色がベースらしいんだけどね
光を帯びていると云うか何と云うか変な色でさ
光が一本一本の藻の間に含まれているんだ
だから覗く角度で虹色の配色が変わるんだ。綺麗だよ
でも困った事があってね。聞いてくれるかい？
屈折しちゃうんだ光。つまり気持ち心持ち。
心に入る前の光が藻に当たって光が変わるでしょ
それで心で感じる色がまた変わるでしょ
そして表現というか出るときのそうその色がまた
ぎらとしてまた変わるんだよ。困ったよ。
困った困った。どうしよどうしよ。
でも傷ついちゃうといけないしさ
藻を取り除く事が出来ないんだよ
このままじゃ僕、藻っちゃうと思うよ


「太鼓鳴んないんだけど」

太鼓ってさいい音するよね。どんっ
太鼓って大きい音するよね。どんっ
でも破れた太鼓は鳴らないんだぜ
そう破れた太鼓は鳴らないんだぜっ

先生曰く
僕はどうもこの病気に罹っちゃったそうだぜ
おっかしぃなぁ。太鼓が鳴らねぇんだぜ
あいつが出てってから心破れちまってどうも


「チクタク人生」

一秒一分一時間
一日一ヶ月一年
そんな一生
計るな暇人
潰すな経るな阿呆
カレンダーをドブ川に破り捨てよ
やっぱりくるりと丸めて市町村指定のやり方
あれ火曜日だっけ燃えるゴミって。違ったか
そうそのやり方にそってきちんと出しましょう
んで時計は電池を抜いてから叩き壊せ。がっちゃん
取り除いた電池は製品表面の注意書きにしたがって
電池は子どもの手の届かない所に保管しましょう
できれば高温高湿を避けて保管しましょう！はい！
粉々の時計の針が喉に刺さって人間死ぬれば
人間の一生＝宇宙のカス以下。
男のロマン。ビッグバン。


「酩酊そして明星」

酒
焼酎
ビール
熱燗に冷酒
ウヰスキー
ジンウォッカ
おまけにアラク
うぃっぷ

心身癒す魔法の水か
人心腐らす悪魔の水か
さあどっちか試してみっぺ
どんどん持ってきてなネェちゃん
今日死ねたら本望だっぺよ
おーい死ぬまで飲むぞこん畜生！
いや困りますよ。だって俺、童貞やし


「腐ったキャベツ」

一昨日食った
昨日食いっ逸れた
だから腹へってて
腐ったキャベツを
千切りにして畑に埋めたら
いい黒光りした茄子ができました
自然の摂理だね
それに従って明日死にます
実はちょっと食っちゃったんで腹痛くて
自然の摂理に従って僕、明日死にます


「詩人Ａ」

僕はこのような阿呆な事に命を縮めております
そう詩歌を吟ずことに命を懸けております！
嘘です。過言お許し下さい。つまり云いたかった事は
詩歌を吟じ時間が死んで僕も詩ぬるということです
何やってたって同じ風に時間過ぎるからねぇ
僕も何時死ぬるか分かりませんので太く短く黒光り
詩人になったつもりで襟を立てて往来でくたばるんだ
ってあいつ言って空腹で死んでった馬鹿な野郎さ


「云いたかった事」

云いたかった事は
本当に云いたかった事は
ありがとうって感謝の気持
今までの色んな人たち
色んな場所色んな季節
色んな酒色んな魚類
色んな言葉色んな色
本当にありがとうって事
ありがとうねって感謝の事
そんな流れる言葉の無常


「白痴」

最近やはり慮る事といえばそうやはりその
僕の内部の構造について。云わば心についてです。
それから右腕、肘あたりから下のほうの歪曲。
右目瞳の配色。心に藻が生えちゃって屈折。
それからグローバリゼーションとか貧困とか
全く僕の手の届かないような莫大な問題の数々。
云わばそんなことで原稿用紙を無駄にする日々です。
自惚れるようですが僕、白痴なのです。
世間一般より批判されたる正直者なのです。




失礼仕りました。失敬。